湖南湘繍
刺繍も中国の優れた民族工芸の一つで、長い歴史をもっています。 刺繍の産地はかなり多く、蘇(江蘇)、湘(湖南)、蜀(四川)、粤(広東)福建の四地方で作られたものは四大名繍と呼ばれています。また、北京の京繍、上海の顧繍、苗族のミヤオ繍など、少数民族にも地方特色が濃い名品があます。又、刺繍が施された服は地位の象徴です。皇帝の服に龍を刺繍し、官吏の服にも階級によって麒麟、虎、鶴などの様々な紋様や動物を刺繍しました。代が下ると、鑑賞用、日用品、芝居の衣裳などいろいろな種類のものが並行的に発展した。
湘繍は湖南省の手作り刺しゅう。硬緞や混ぜ織り繻子、透明なガラス糸、ナイロンなどを材料にして織った精細な工芸品である。構図は非常に綿密で、形象は生き生きとして迫真力がある。色彩は鮮明で、質感は強烈で、入神の域に達しており、生動感に溢れている。遠から見ると、雄渾な気勢に圧倒され、近くで見ると、絶妙の域に入ったかのような芸術的効果がある。湘繍のなかで獅子や虎の刺繍は絶品で、“蘇繍猫、湘繍虎”と呼ばれるほどです。湘繍の獅子、虎は毛の文様が力強く立っていて、目は炯々と輝いており、本物と見間違うような迫力がある。現在、異形異色の両面繍が珍品である。他に孔雀の図柄も有名で、色合いがとても鮮やかです。